フィギュリン(陶磁器人形)とは
西洋アンティーク雑貨の中には、繊細でおしゃれなアイテムがたくさんあります。
今回は、その中でも特に愛らしいフィギュリン(陶磁器人形)をご紹介しましょう。
フィギュリン(Figurine)というのは小型の陶磁器などで作られた人形のことで、人間だけではなくて犬や猫などといった動物がモチーフとして用いられることもあります。
多くはセラミックの一種である陶磁器で作られていますが、中にはレジン製のものやクリスタル製のものなども見かけられます。
色付けの工程などはすべて手作業で行われており、オリジナル性が高いのがフィギュリンの特徴です。
マイセンのフィギュリン
フィギュリンが作られるようになったのは、1700年代のことです。
陶磁器で有名なマイセンは300年近く前から数々の名品を世に送り出してきていますが、マイセンでフィギュリンを作り始めたのは彫刻家のヨハン・ヨアヒム・ケンドラーです。
時の支配者アウグスト教王は、東洋の陶磁器などで内部を埋め尽くした日本宮の建造を思い立ち、陶磁器でできた動物を大広間に飾ることを決めます。
陶器の動物を製作することを命じられたケンドラーは、さまざまな動物の動きや仕草を研究し仕事に没頭しました。
非常に繊細な作業のため、陶器を焼いている間に細かいひだなどが欠け落ちてしまうことも多く、作業は難航しますが、新しい技術はマイセンで確実に育っていきました。
この動物たちが最初に作られたフィギュリンで、その後数え切れない程の人形がマイセンから誕生することになります。
マイセンのフィギュリンには羊飼いや宮廷の光景をテーマにしたものも多く、最近では「ドクター人形」のシリーズが人気を博しています。
ドクター人形は2016年からスタートしたマイセンのフィギュリンシリーズで、現代マイセンを代表する造形家、ヨルク・ダニエルチュクによって毎年新しいドクター人形が発表されています。
2018年に発表されたのは「耳鼻咽喉科医」で、前年・前々年に発表された「内科医」「外科医」とならんで、世界中の人気を博しています。
リヤドロやロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンも人気
マイセンと並んで、リヤドロ(Lladro)やロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンも人気があります。
リヤドロはヨーロピアン ラグジュアリー・ポーセリンアートブランドとして有名なスペインのブランドで、現在、世界約120ヵ国で販売を展開しています。
日本では、リヤドロは「リヤドロブティック銀座」や「リヤドロブティック大阪」などで購入することができます。
ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンもかわいい動物が多く、気の利いたプレゼントにぴったりです。