ビスクドールとは
西洋のアンティークドールの中でも、特にポピュラーなものに「ビスクドール」があります。
ビスクドールの「ビスク」という言葉は「ビスキュイ」から来ていると言われていますが、ビスキュイにはラテン語で「二度焼きする」という意味があります。
ビスクドールは顔などがかなりリアルに作られており、ただ単純にかわいいというより、ちょっとこわい感じがすると思っている方も多いようです。
昔は「フランス人形」とも呼ばれていたことがあり、少女をかたどったものがほとんどであることが特徴です。
ビスクドールの歴史
ビスクドールが作られるようになったのは、18世紀のフランスです。
このため、「フランス人形」と呼ばれることもしばしばあるわけです。
当時の貴族階級はきらびやかなドレスを身にまとうことを競い合っており、仕立て屋にあれこれとうるさい注文を出していました。
せっかく縫い上げたドレスも、気ままな貴族から「イメージしていたのとは違う」とキャンセルされ、仕立て屋は困り果てていました。
そこで、ミニチュアのドレスをサンプルとして制作し、人形に着せたものをまず注文した貴族に見せ、OKが出たところでドレスを本格的に仕立てることを思いついたところから誕生したのがビスクドールです。
最初は簡素な人形にサンプルのドレスを着せていたのですが、次第に人形にも凝るようになり、かわいらしい顔とヘアスタイルのビスクドールが誕生しました。
ビスクドールを見た子どもたちが「この人形がほしい!」と言い出したことから、ドレスとは関係なく人形が生産されるようになりました。
「ベベドール」という、6歳ぐらいの子どもをモデルにした人形が作られるようになり、子どもたちの間で人気が一気に広まっていきます。
19世紀には「ジュモー」と「ブリュ」というビスクドールの会社が設立され、ビスクドールは最盛期に入ります。
ところがビスクドールは高価なため、徐々に価格の安いセルロイド製の人形に取って代わられ、現代に至っています。
ジュモーとブリュは西洋アンティークファンの間では有名なメーカーで、現在ではこの2つのメーカーで作られたビスクドールに数千万円の値段が付けられることも珍しくありません。
ブリュのビスクドールは今でも買える
ブリュのビスクドールは日本でもWEBサイトで購入することができます。
価格は20,000円前後のものも多いので、西洋アンティークが好きな方はコレクションしてみるのもいいかもしれません。
それぞれのビスクドールは衣装や顔立ちに個性があるので、何体も揃えてみたくなるに違いありません。
ジュモーのビスクドールはブリュよりもやや高めですが、好みのビスクドールであるなら購入する価値はあると言えるでしょう。