リプロダクトとレプリカの違い
家具などの製品で、近ごろ「リプロダクト」という言葉をよく耳にするようになりました。
リプロダクトというのは英語の「re-product」のことで、一度は生産が終了した製品を正規のメーカーが新しく再生産することを言います。
新しいデザインの製品を発表するよりも、過去に評判のよかった製品を再び生産ラインに乗せて販売するのがリプロダクトです。
リプロダクトと同じような言葉に、「レプリカ」というのがあります。
デザインというのは音楽などの著作権と同様に「意匠権」というものがあり、正規メーカー以外が生産することは禁じられています。
ところが意匠権には有効期間というものが存在し、この期間が終わると、たとえ意匠権のあるデザインでも他社が生産できるようになります。
このような経緯で生産された製品がレプリカと呼ばれるもので、リプロダクトとは意味合いがまったく違います。
正規メーカーが生産を新たに開始するのとは違い、他のメーカーで生産・販売されたものを指す言葉なのです。
レプリカはデザインや開発にお金がかからない分、オリジナルよりも安価で生産できるというメリットがあるものの、素材などの面で粗悪な製品が多いことも否めません。
ですから、レプリカを購入する際には製品のクオリティをしっかりとチェックすることが大切です。
日本ではリプロダクトとレプリカが同一視されている
日本においてはリプロダクトとレプリカの区別があまり明確ではなく、レプリカであるにも関わらず「リプロダクト」製品として市販されていることも珍しくありません。
正規のメーカーが過去の製品を新しく製造した場合、日本では「オリジナル」という言葉が使われることが多くなっています。
おすすめのリプロダクト家具
リプロダクト家具は人気の高いものも多く、家にひとつ置くだけでも存在感を放ってくれるものです。
リプロダクト家具の中でも特にファンが多いのがハンス・J・ウェグナーの「ザ・チェアー」で、この椅子はケネディ大統領とニクソン大統領が使用したことでも有名なモデルです。
デザインが洗練されているだけではなく、座り心地も満点です。
日本ではABCインテリアから販売されており、価格も2万円以下なので「良い椅子」を探している方は要チェックです。
アルネ・ヤコブセンの代表作であるドロップチェアも、デザインにこだわる方にはおすすめです。
タンスのゲンから販売されており、ポップなカラーバリエーションも評判です。
有名デザイナーの製品というのはあるだけで家が華やかになりますので、一台購入してみるのも一案です。
一気にそろえるのは難しいという場合でも、時間をかけて収集すればそれだけで愛着がわくものです。